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第7回鉄道土木雑学講座

皆さんこんにちは!

 

株式会社オーエス工業、更新担当の中西です。

 

 

 

鉄道土木の歴史をたどる 〜レールの下にあるもうひとつの物語〜


今回は、鉄道の発展を支えてきた「鉄道土木」の歴史についてお話しします。


鉄道と聞くと、列車や駅、車両の技術などが注目されがちですが、それを「走らせるための基盤」である土木工事がなければ、鉄道は決して成立しません。

目に見えにくい“縁の下の力持ち”である鉄道土木の歴史を、ここでしっかり掘り下げてみましょう。


🚂 明治時代:日本に鉄道がやってきた時代

 

日本初の鉄道は、1872年(明治5年)、**新橋〜横浜間(約29km)**に開通しました。
このとき使われた鉄道土木技術は、ほぼすべてがイギリスからの導入技術。線路の敷設、橋梁の架設、切土・盛土なども、当時の日本には前例がなく、試行錯誤の連続でした。

主な特徴:

  • 蒸気機関車が通れる平坦で直線的な線形の確保

  • 煉瓦積みアーチ橋など洋風土木構造物の導入

  • 切土・盛土による基盤造成の技術が急成長

この時代、鉄道土木の技術習得は“国を挙げての挑戦”だったのです。


🏞 大正〜昭和初期:全国へと伸びる鉄道網

 

地方へと鉄道が延伸される時代には、山間部や川沿いといった自然地形への対応力が求められました。

土木の進化ポイント:

  • トンネル技術の発展(人力掘削→火薬併用)

  • 木橋から鋼橋・コンクリート橋への転換

  • 急峻な地形に対する擁壁工事・排水工の整備

とくに鉄道トンネルの掘削は、地質や水害リスクとの闘いであり、日本の土木技術を飛躍的に高めるきっかけとなりました。


🛤 戦後復興と新幹線:高速時代の土木革新

 

1964年に開業した東海道新幹線は、世界初の高速鉄道であり、土木構造物のレベルも格段に引き上げられました。

革新的なポイント:

  • 大断面シールド工法によるトンネル掘削の大幅高速化

  • 高架橋と連続橋梁による地形を無視した路線計画

  • 騒音・振動への配慮から**軌道構造(スラブ軌道など)**の進化

都市部では用地確保が困難なため、鉄道は地中化・高架化が進み、「空間との戦い」が鉄道土木のテーマとなった時代です。


🏙 現代:災害と共存しながら進化する鉄道土木

 

今や鉄道は全国津々浦々をつなぐ生活インフラとなり、その維持・更新が重要なフェーズに入っています。

  • 地震・豪雨・土砂崩れへの備えとしての防災構造

  • 既存構造物の耐震補強・長寿命化技術の導入

  • ICTやドローンによる点検技術の進化

また、地方の赤字路線の廃止に伴い、**撤去・転用(土地の再利用)**も鉄道土木の新しいテーマとなっています。


✨まとめ:土木がなければ鉄道は走れない

 

線路の下には、鉄とコンクリートの“知恵と努力の積み重ね”があります。
鉄道の発展の裏には、必ず土木技術の進化があり、今もなお“安全と安定”を守り続けるプロたちがいます。

次回は、そんな鉄道土木に携わる人々が守り続ける「鉄則」について、深く掘り下げてみましょう!

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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