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月別アーカイブ: 2025年8月

第14回鉄道土木雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社オーエス工業、更新担当の中西です。

 

~“選ばれる鉄道土木会社”~

 

短い保守時間、厳しい幾何公差、頻発する豪雨。勝ち筋は「標準化×段取り×データ×安全」です。
ここでは、所長・工務・安全担当向けに入札→施工→品質→引継ぎ
までを強くする実装の“型”を共有します。


1|A4一枚の“標準”から始める 📄

  • SOP:土工・排水・基礎・型枠/配筋・コンクリ・橋補修・トンネル補修を写真&NG例でA4化。

  • 合格基準表:締固め度・平坦性・透水・かぶり厚・塗膜厚・目地開き等のレンジ再手直し条件

  • 保安標準:隣接線・退避・合図・停電/復電の図解。夜間照明と光害配慮角度も記載。✨


2|“保守時間×分単位”の段取り ⏱️

  • T-7〜T-1日:測量・出来形目標・資材位置・ヤード・搬入路・重機配置を確定。

  • 当日T-60分:危険源レビュー(人/機械/電気/水)→ロールコール→一筆書き動線確認。

  • 作業中:監督は品質・安全指標に集中、進捗は**色(緑/黄/赤)**で区間表示。

  • T+30分:出来形・清掃・資材回収・近隣確認までワンパッケージ


3|気象レジリエンスを“設計に埋め込む” 🌧️🌀

  • 排水余裕度(計画降雨×安全余裕)を必ず明示。

  • 盛土補強材+水平排水材法面多段防護(表層/落石/背面排水)の組合せ。

  • 橋脚・基礎洗掘対策(根固め・袖付け・護床)を標準化。


4|品質を“数字で回す” 📊

  • 締固め・平坦性・透水・塗膜厚・かぶり現場試験→即記録→ダッシュボード

  • 一次合格率・再手直し率・1mあたり工数を日次で見える化。

  • 写真台帳同一角度・距離・時系列で、出来形→検査→成果品を自動連携📸。


5|EHS(安全・衛生・環境)🛡️🌿

  • 人と機械の分離:カラーコーンだけに頼らず物理バリケード+誘導員

  • 化学・火気:注入材・防食材はSDSに基づき保管/混用禁止、溶接・切断は火の番30分残留。

  • 濁水・粉じん沈殿→pH調整→放流、散水・シート養生の標準運用。

  • 近隣:掲示・騒音振動の閾値苦情一次応答24hの体制。


6|DX:迷わない・探さない・止めない 📱🛰️

  • CIM/BIM×点群:UAV/地上レーザで現況→設計/出来形の差分色分け

  • 資材トレース:コンクリ・鋼材・排水機材のロットをQRで紐づけ。

  • 日報自動化:作業・検査値・写真・注意喚起を自動整形→翌朝共有

  • 機械稼働ログ:バックホウ稼働・燃料・停止理由を集約→タクト最適化


7|原価と工期の平準化 💴

  • 標準タクト(m³/日・m/日・箇所/夜)を年度更新。

  • 先行ヤード整備プレキャストで夜間作業を短縮。

  • サプライ計画:コンクリ・砕石・鋼材のタイムウインドウ配送で待ちゼロへ。


8|教育90日プログラム(例)🎓

  • Day1–7:保安・KY・退避・SOPの読み方

  • Day8–30:土工/排水の実地・現場試験(締固め/平坦/透水)

  • Day31–60:型枠/配筋・コンクリの品質管理・橋/トンネル補修の基礎

  • Day61–90:小隊リーダー体験・出来形レビュー発表・8D是正の実践


9|“30日で変える”改善ロードマップ 🗺️⚙️

  • Day1–7:A4 SOP・合格基準・保安標準の掲示/近隣掲示テンプレ更新

  • Day8–14:出来形・試験値のクラウド化/写真基準の統一

  • Day15–21:資材QR運用・タクト看板(現場表示)

  • Day22–30:KPIダッシュボード公開/週次“1行是正”レビュー


10|発注者・元請けへの“見える提案”🧩

  • 一枚図:区間条件・工法・タクト・資材/重機動線

  • 品質計画:合格基準・試験頻度・サンプル帳票

  • 近隣配慮:掲示・騒音振動・濁水計画

  • リスクと代替案:天候・資材遅延・線閉短縮時のB案を同時提示


まとめ ✨

“選ばれる会社”は、標準(A4)×段取り(分単位)×EHS×DX同じ良さを速く繰り返します。
測って作って、また測る。 その当たり前を仕組みにし、明日の“いつもどおり”を守りましょう。🚆📈🌙

 

 

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第13回鉄道土木雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社オーエス工業、更新担当の中西です。

 

~線路を“足もと”から守る~

 

列車の走り心地やダイヤの安定は、レールだけでは生まれません。土(土木)・水(排水)・構造物(橋やトンネル)が見えないところで支えています。ここでは、初めての方にも分かるように鉄道土木の基礎工事の流れ・品質の見どころを、一気通貫で解説します。


1|鉄道土木の“骨格”を知る

  • 路盤・道床:列車荷重を地盤へやさしく伝える層構成。締固め度・粒度・弾性がポイント。

  • 盛土/切土:線形(勾配・曲線)を作る土工。**雨水対策(排水/法面保護)**が寿命を左右。

  • 橋りょう(下部工・上部工):河川・道路をまたぐ“飛び石”。耐震補強・伸縮装置がキモ。

  • トンネル:地山と覆工で地圧・地下水に対抗。漏水処理・内面補修が維持の要。

  • カルバート/擁壁:小さな水路・支え壁。洗掘・変状を早期に見つける。

レールと枕木の“軌道”は、この土木の器の上で初めて性能を発揮します。


2|代表的な工事メニュー(維持・更新)

  • 道床更新/路盤改良:細粒分の堆積を除去→新材投入→締固め→幾何復元。

  • 排水改良:側溝更新・透水シート・集水井・縦横断排水の見直し

  • 法面対策:モルタル吹付・アンカー・法枠・植生工・落石防護柵

  • 橋りょう補修:支承取替・床版補修・鋼部材の防食・コンクリート断面修復

  • トンネル補修:ひび割れ注入・ライニング更新・漏水キャッチ/導水処理️

  • 踏切改良:舗装更新・排水・視認性向上・保安設備の整備


3|夜間“列車を止めずに”行う工事の流れ ⏱️

  1. 列車見合わせ→保守時間開始(線路閉鎖)

  2. 保安設置(見張り・標識・退避計画)

  3. 既存状況の確認(測量/写真)→施工(土工・コンクリ・排水・架設)

  4. 出来形確認(寸法・締固め・平坦性・排水勾配)

  5. 片付け・撤収巡回確認運転再開

ポイントは**「測る→つくる→もう一度測る」**。数値の合格で明け渡します。


4|品質の“見どころ”チェック

  • 締固め度(路盤/盛土)・平坦性(路盤/舗装)

  • 透水性・排水勾配(側溝/暗渠/法面)

  • ひび割れ・はく離・遊離石灰(コンクリート/トンネル)

  • 防食・塗膜・伸縮装置の健全度(橋りょう)

  • 記録:写真台帳(Before/After/検査値)+トレーサビリティ


5|雨・地震・暑さに“強い線路”へ ️

  • 豪雨:集水→導水→放流の連続性、詰まりゼロの維持が生命線。

  • 地震:橋脚・落橋防止・支承、盛土の補強(補強土/排水)で粘り強く。

  • 猛暑/凍結:舗装/コンクリの熱応答、凍上対策、材料選定と目地設計が効く。


6|安全と近隣配慮 ️

  • 人と重機の動線分離、夜間の光害・騒音・振動の低減。

  • 仮設防護こぼれ/濁水対策道路清掃を徹底。

  • 掲示・広報で“いつ・どこで・なにを・連絡先”を明示。


7|工事前後の“持ち物リスト”✅

[ ] 工事概要図・工程表
[ ] 安全計画(保安・退避・誘導)
[ ] 品質計画(合格基準・試験頻度)
[ ] 近隣対応(掲示・説明・緊急連絡網)
[ ] 成果品(図・写真台帳・検査成績・維持管理の提案)


まとめ ✨

鉄道土木は土と水と構造をコントロールする仕事。
地味だけど効く対策の積み重ねが、明日の“いつもどおり”を守ります。線路の下にある大仕事、少し身近に感じてもらえたら嬉しいです。‍

 

 

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