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日別アーカイブ: 2025年6月18日

第9回鉄道土木雑学講座

皆さんこんにちは!

 

株式会社オーエス工業、更新担当の中西です。

 

 

 

鉄道土木と環境問題〜線路の下にある、静かな環境配慮の現場〜

今回は「鉄道土木工事」の現場から、“環境への配慮”という視点で深掘りしてみたいと思います。

鉄道は“エコな交通手段”として知られていますが、それを支える鉄道土木工事の現場では、実はさまざまな環境対策が日々講じられているのです。


■ 鉄道土木とは何か?

 

鉄道土木とは、鉄道に関連する土木構造物やインフラを築く工事の総称です。たとえば:

  • 路盤・線路の造成、整備

  • 擁壁や法面の施工

  • 橋梁・トンネルの建設・補修

  • 駅舎の土台工事、排水整備

  • 軌道下の耐震・排水・排砂設備など

このように、列車が安全に走るための「縁の下の力持ち」が鉄道土木の役割です。


■ 鉄道土木の環境への主な影響

 

① 土壌や水質への影響

掘削工事や仮設ヤードの整備によって、地中の構造が変わり、雨水の流れが変化したり、地下水への濁水流入リスクが生じます。特に都市部や農地周辺では、土壌汚染や地下水汚染の懸念が高まります。

② 騒音・振動問題

重機による掘削、軌道の整備、夜間工事などに伴い、作業時の騒音や振動が周辺住民の生活に影響を与えることがあります。

③ 動植物への影響

新設や線路の拡幅工事では、森林伐採や河川改変が必要なこともあり、希少動植物の生息域に干渉する可能性があります。


■ 現場での環境配慮の実践

 

鉄道土木では、こうした環境負荷を最小限に抑えるために、多様な取り組みが行われています。

● 環境アセスメントと施工前調査

国交省や鉄道会社による**事前の環境アセスメント(環境影響評価)**が義務化されており、以下の項目を入念に調査します。

  • 土壌・地下水汚染の有無

  • 野生生物の分布状況

  • 水系・地下構造の影響範囲

● 濁水・土砂の管理と仮設対策

掘削土の仮置き場では、防じんシートや濁水処理装置を設置し、周辺環境に漏出しない施工体制を徹底。雨水の流出経路にも気を配り、排水路を仮設するケースもあります。

● 騒音・振動対策の強化

  • 低騒音型重機の導入

  • 消音カバーの設置

  • 作業時間の制限(特に夜間工事)

など、周辺住民との共存を意識した運用が義務づけられています。


■ 再生材・資源循環の推進

 

工事で発生する資材(バラスト、路盤材、アスファルトなど)の再利用やリサイクルも進んでいます。

バラスト(砕石)をふるいにかけて再利用したり、セメント固化材を使って処分量を減らす取り組みが一般化しつつあります。


■ まとめ:鉄道を守る工事が、地球も守る時代へ

 

鉄道土木は、その性質上「自然を壊す側面」がある反面、「人と自然が共存する移動手段」を守るという矛盾を抱えています。

だからこそ、私たちが目指すべきは**“つくる”から“まもる”への意識改革**。

線路の下で支えられている未来のために、鉄道土木の現場は静かに、そして確実に環境への配慮を積み重ねています。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

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